この記事の内容
- レストランでのパティシエの仕事
- フレンチレストランのコースの流れ
- レストランにおいての必要なスキル
- フランス語が必須ということ
パティシエといえば、パティスリー・ホテル・結婚式場など、さまざまな仕事がありますが今回は、今現在も僕が働いている
フレンチレストラン
での仕事について書いていこうと思います。
コース料理のデザートですので、普通のパティシエとは考え方も味付けも変わってきます。
これからレストランに転職したい・ホテル勤めで急にレストランの部署に異動になった!
と言う人達の役に立てればうれしいです。
フレンチレストランでのパティシエの仕事
出勤時間
パティスリーでのパティシエの出勤時間は店の開店時間も早いので、6時~7時と朝早いのが基本です。
ですがフレンチレストランはランチ営業が11時~11時半からなので、それまでに仕込み・準備を間に合わせるようなシフトで、
店にもよりますが 9時から10時くらいに出勤するのがほとんどです。
ですが繁忙期、人手が足りずに仕込が追いついてないような状況ならもっと早く出勤します。
ランチ営業・ディナー営業
基本的にフレンチレストランのコース料理と言うのは
- アミューズ(突き出し)
- オードブル(前菜)
- スープ
- ポワソン(魚料理)
- お口直し(ソルベ)
- ヴィアンド(肉料理)
- アヴァンデセール
- グランデセール
- ミニャルディーズ(小菓子)
の順番に料理が進行していきます。
ここに書いたのはあくまで僕の勤めているレストランのコースで、必ずしもこの品数ではなくコースの料金・その店の格式が低いか高いかによって変わってきます。
このコースだとパティシエの担当する品は5・7~9番です。
仕事の流れとしては
- 出勤
- ランチ営業の準備・仕込み
- ランチ営業
- 休憩
- ディナー営業の準備・仕込み
- ディナー営業
- 掃除・片付け・帰宅
という感じです。
主に提供するデザート
【お口直し(ソルベ)】
お口直しは魚料理と肉料理の間にある品で、フレンチのメインである肉料理の味をしっかり堪能してもらうために、一度脂ぎった口の中をさっぱりしたソルベでリセットする重要な役目を持っています。
僕の職場では主に柑橘系のソルベを使用していました。(柚子・すだち・レモン・日向夏など)
【アヴァンデセール】
フランス語で「最初に出されるデザート」を意味するアヴァンデセール。
グランデセールの前に出されるデザートを意味します。つまり、デセールの前菜という位置づけです。
ボリュームはそんなに必要ではなく、ジュレ・アイスなどさっぱりしたものがほとんど。
別にメインのデセールだけでいいんじゃないの? と思うかもしれませんが
お客様の味覚を塩味から甘味にシフトチェンジするという重要な役割を持っているので、欠かすことのできない重要な品なのです。
【グランデセール】
アヴァンデセールに次に提供されるのが、主役を飾るグランデセール。
デセールコースのメインとなるもので、レストランパティシエが最も力を注ぐべきデザートです。
グランデセールはアヴァンデセールとは違い、しっかりと甘く主張の強い味付けにするのが一般的。
なぜならコース料理の終盤、お客さんの味覚がだんだんと鈍くなってくるのでぼんやりした味付けにしても驚きをあまり感じてもらえないからです。
普通の皿盛りデザートとは別に、サービス員がお客様の目の前で演出する
- フルーツフランべ
- クレープフレンベ
- チェリージュビレ
などの温製デザートも有名です。
【ミニャルディーズ】
コース料理の最後の締めくくりとして、コーヒー・紅茶とともに提供するのが
ミニャルディーズ。小菓子という意味で主に焼き菓子・マカロンなど一口サイズで食べられるサイズでお出しします。
【アラカルト】
一品料理・単品料理のことです。
コース料理のデザートよりも値段設定が高いので、ボリューム・食べ応えを重視して作ります。
コースではデザートの前に料理があるので準備できる時間的な余裕がありますが、
アラカルトではオーダーした瞬間に提供しなければならないので、ある程度の準備はあらかじめしておいたほうが無難です。
必要なスキル
【パイピング】
これは必須スキルでほぼ毎日、誕生日祝いや結婚記念日・プロポーズ。
季節の祝い事だと、入学・卒業・就職・退職
などなどお客様からの依頼がたくさんあります。
文字はもちろん、皿の空白部分にもチョコでおしゃれにデザインしなければならないのでセンスも求められます。ですので自主練、勉強は必須です。
ちなみに僕が実際にやってきた勉強法は
- 本を読む
- youtubeを見る
- ネットの画像検索でおしゃれなデザインを真似する
- 世の中のさまざまなデザインを吸収する(タオルとかデパートの垂れ幕を見てました(笑)
などがおすすめです。
【即興でデザートをつくる力】
お客様の中には
- ○○が苦手
- ○○がアレルギー
- ベジタリアン
などの条件を持った人がよく来られるので、それに該当した食材をのぞいたデザートを考えなければなりません。
あらかじめ予約情報にて記載があれば事前に対応はできるのですが
デザートを仕上げる直前に苦手・アレルギーの情報を受けるパターンもよくあるので極限の状況下でかつ短時間で冷蔵庫にあるものを使ってひとつのデザートを作り上げる即興力は必要です。
気をつけたほうがいいこと
僕がはじめてレストランに異動になって苦労したことはフランス語です。
フレンチレストランではオーダーを通すときに席番号、料理名、掛け声などが全てフランス語を使うのが一般的なので最初の頃はほんとうに苦労しました。
しかもコックの先輩からよくパシリに使われるのですが
- フォンドヴォーとってきて!
- ラグーとヒュメ・ド・ポワソンをパッセしといて!
- この野菜エマンセしといて!
などなど・・・
調理の専門用語もぶっこまれる場合があるのである程度フランス語の勉強は必要です。
ですのでこれからフレンチで働く人は、最低でも数字の1~20のフランス語を言えるようになっておいたほうが、僕のようにあたふたしなくてもすむと思います(笑)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はぼくの実体験も交えてフレンチレストランでの基本的な働き方を紹介させてもらいました。
これからも長いパティシエ人生、パティスリーでケーキを作るのも大事な仕事ですが
レストランでアシェットデセール(皿盛りデザート)を作るのもまた、新しい視点からデザートと向き合うことができるので、自分を成長させるにはもってこいの職場だと思います。
なによりお客様との距離がとても近くなるので、よりいっそう自分の仕事に責任をもてるし
パティスリーのポーションケーキよりもアシェットデセールのほうが表現できる自由度が高いので、楽しいです!。
これから別の店に転職しようか悩んでいるのなら、フレンチレストランも選択肢の一つとして考慮してみてはいかがかなと思います。
コメント