この記事の内容
- アシェットデセールとは何かを解説
- 普通のケーキとの違い
- アシェットデセールの特徴
- アシェットデセールの例
アシェットデセールってなんだ?
普通のケーキとは何が違うの・・・?
作り方もよくわからない・・・
まず最初に、フランス語でアシェットは『皿』。 デセールは『デザート』の事で、つまり”アシェットデセール”とは『皿盛りデザート』という意味です。
フレンチレストランに配属になったパティシエや、レストランに転職しようと考えている人は必ず”アシェットデセール”を作る事になります。
皿盛りデザートという意味がわかっても、実際普通のケーキとは何が違うのか?と疑問を持つ人も多いですよね。
そこで今回は、【アシェットデセールとはなんなのか? ケーキとの違いと特徴】を紹介しようと思います。
アシェットデセールとは? ケーキの違いと特徴
ケーキとの違い
ここでケーキとアシェットデセールの違いを紹介します。
どちらも一長一短で、違うおいしさ、楽しみ方があります。
【ケーキ】
- 持ち運びに優れている
- 手軽に買う事ができる
- 形が崩れないような工夫が必要
- 客層が幅広い
- いかに仕込が丁寧にできるかが大事
- 『プラモデル』を組み立てるようなイメージ
- 表現力が限られている
【アシェットデセール】
- 持ち運びできない
- レストランや専門店への予約が必須なので敷居が高い
- 仕上げにある程度の融通が利く
- 表現力が高い
- ケーキよりも更に、『食感』『温度』『香り』を楽しんでもらえる
- 『キャンパスに絵を描く』ようなイメージ
- 客層は『富裕層』が比較的多め
まとめてみると、ケーキは『手軽さ』『携帯性』『保形性』に優れているのに対して、アシェットデセールは『芸術性』『表現力』『五感による娯楽性』が優れていると言えます。
もちろん店やホテルによって変わってきますが、提供する形態が違うだけでこんなにも違いや特徴が生まれてくるのです。
アシェットデセールの特徴
表現できる幅が広い
前述でも述べましたが、アシェットデセールは普通のケーキよりも使える素材、アイテムが多いのでその分表現できる幅がとても広いです。
なぜアシェットデセールのほうが使えるアイテムが多いかと言うと、ケーキは長時間形を保つことを前提としているので、湿気で弱ってしまう『チュイール』『飴』『シガレット』などのパーツを使う事ができないからです。
そしてケーキは”ケーキトレイ”の限られたスペースの中でしか表現できませんが、アシェットデセールは”皿の上”や”グラス”などで表現できるので、スペース的にも余裕がありますし皿もいろんな種類があるのでそれだけ構想の幅が広くなるのです。
しかし表現できる幅が広いせいで、逆に構成が決まらないといったデメリットもあります。
僕も最初アシェットデセールの商品開発をしたときは、とっても苦労しました・・・
一番おいしいタイミングで提供できる
アシェットデセールは【その場・その時にしか食べれない】デザートを提供します。
例えば、冷たいものと温かいものを同時に提供するといった事もできます。【クレープシュゼット】なんかがいい例ですね。
”フランベでアツアツに温めたクレープに冷たいバニラアイスを添える”事で、フランベによる酒の香りと温かいもの・冷たいものを同時に食べる事ができます。
これぞまさに【一番おいしいタイミング】です。
時間がたってしまうとアイスは溶け出し、クレープは冷めて香りもぼやけてしまうのです。
普通のケーキでは味わえない
- 視覚 デザインによる演出
- 嗅覚 フランベ等による香り
- 触覚 チュイールやシガレットなどのカリカリ食感
- 温度 温かいもの・冷たいものの同時提供
これらの感動を味わいにお客様はレストランや、アシェットデセール専門店に来店するのです。
お客様の細かいニーズに合ったデザートを提供できる
アシェットデセールはある程度の融通が利きます。
お客様の中には「○○が苦手」「△△が食べたい」とうような要望を持つ人がいます。
これが既に仕上げ終わっているケーキでは対応する事が難しいですが、アシェットデセールはオーダーが通ってからパーツの組み立てをするので、”特定の素材を抜いて代わりに別のアイテムを加えたり”などの対応をする事ができます。
しかしそれを行うには従来のデザインや味を損なわせないための、その商品に対する”理解力”が必要不可欠です。
そして在庫分で対応させるための”即興力”も養わなければなりません。
こういったお客様の”細かいニーズ”を多くの機会で満たす事でリピーターを獲得しやすくなってきます。
そしてあなたの”パティシエとしての力”も自然と上がっていきます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は【アシェットデセールとは何なの?】と疑問を持っている人たちに向けたケーキとの違いやその特徴を紹介しました。
近年では”アシェットデセール専門店”が増えてきており、需要も高まってきています。
完全予約制にすることで、パティスリーよりも客数管理が容易で最近問題になっている”食品ロス”を減らす事ができ、利益を出しやすいと言うのが利点です。
パティシエとして研鑽を積もうと思っている人はアシェットデセールも視野に入れてみるのもアリだと思います。
それではご愛読ありがとうございました!
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