この記事の内容
- パティシエになるための具体的な進路の説明
- 学生のうちにやっておいたほうがいい事
- パティシエになるには?必要なスキルの解説
- 新人パティシエが1年目に必ずするべきこと
- 将来ダメなパティシエにならない為に・・・
- 自主練習・インプットの重要性
さて、今の高校生は進路・進学に頭を悩ませている人が多いかと思います。
就職難のこの時代、飲食業界で手に職をつけて社会で活躍したい!
と考えている人いるんじゃないですか?
実際飲食業界はブラックな職場が多かったり、低賃金で過酷な職場環境が多いですが
それは言ってしまえば【修行】です。
修行を何年もしっかりと積んで将来的に独立すれば、自分の個性を十分に発揮でき、年収も確実に上がります。
そういった夢のある側面も飲食業界にはあるのです。
その業界の中でも特に【パティシエ】という職業に興味を持っている人は
- いったいどんな進路をたどり
- パティシエになるにはどんな能力・スキルがいるの?
- お菓子を作ったことのない自分でもなれるんだろうか・・・
- 学生のうちに家でお菓子作ったほうがいいの?
などなど、色んな疑問がありますよね。
そこで今回は、
- 将来パティシエになるにはどんな進路をたどればいいの?
- パティシエになるにはどんな能力がいるの?
- 学生のうちに何かしておいたほうがいいの?
これらの疑問を抱えている学生さんに、現役ホテルパティシエの僕が語ってみようと思います。
パティシエになるには? 必要なスキルとその進路
パティシエになるための進路
《製菓の専門学校で学んで就職》
おそらくパティシエとしての進路を視野に入れている人のほぼ9割は
【専門学校でしっかり学んでから就職する】だと思います。
まさに王道。
メリットだらけです!
【メリット】
- 同じ夢を持つ仲間たちと共に成長できる
- 有名店での現場経験を持つ教員が多数在籍している
- お菓子に対しての知識・理解力を身につける事ができる
- 製菓衛生士免許の取得ができる
- 有名な専門学校だと就職先の選択肢が豊富
【デメリット】があるならばやはり、学費が高い事ぐらいですかね。
高いところだと2年で約370万する所もあるんですよ・・・
(親に感謝・・・!)
ちなみに僕が在籍していた専門学校は「辻製菓専門学校」といって、日本一の料理学校グループ【辻調グループ】の系列です。
学費はやはり高いですが、在籍している先生の人数は恐らく業界最多で就職にも強く
「辻調生」というだけで有利になると先生から聞きいた事があります。
《アルバイトとして働きながら学ぶ のちに社員登用も・・・?》
パティシエを志望している人の中にも経済的な理由で専門学校に通えない人もいると思います。
そんな人はいきなりケーキ屋・ホテルなどにアルバイトとして入っちゃいましょう!
前述で専門学校を推しましたが、早いうちに現場を経験しておくというのは専門学生と比べて大きな強みになるからです。
実際【働きながら勉強する】というのはとても大変で苦痛です。
しかしこの学んでいく姿勢さえあれば、この辛く厳しいパティシエ業界を乗り越えていける事でしょう。
いずれ周りに認められればアルバイトから契約社員、そして正社員にまで登りつめることも十分可能です。
僕はホテルで働いていますが、アルバイトとして入ってきて正社員まで上がった人を実際に何人も見てきました。
学生のうちにやっておいたほうがいい事
《家でお菓子つくり》
正直、家でのお菓子つくりと現場でのお菓子つくりは全く違います
しかし、家で色んなお菓子つくりに挑戦するのはとても重要なことです。
僕は高校生のとき部活を引退してから、とにかく時間があればお菓子を作って色んな人に配っていました。
そしたらいろんな人に直接
「おいしかった!」 「ありがとう!」
と言われて、心のそこから嬉しい!って思えたし自信もつきました。
これらの体験・記憶はとても重要で、長年パティシエをやっていると何のためにお菓子を作っているのかわからなくなり、挫折しそうになるタイミングが頻繁にあって、そんな時にこのころを思い出すと【初心】に戻ってなんとか立ち直ってこれました。
結局、この職業はお客さんから「おいしかった」の一言だけを貰うためだけにみんな本気でおいしいものを作ろうと頑張っているのです。
《たくさん失敗する》
やっておいたほうがいいことの2つ目は、たくさん失敗する事です。
そうです。
家でお菓子を作って、めちゃくちゃ失敗してください!!
スポンジケーキを凹ませてもいいですし、生クリームをボソボソにしてもいいです。
【失敗は成功のもと】とはよく言ったもので、失敗する事によって「次どうしたら失敗しないか」を自然に考えるようになり、改善策を生み出す癖がつきます。
学生のうちに【失敗⇒改善⇒成功】のループを繰り返す事で、現場で働きだして失敗しても焦らず対処する事ができて非常に有利になります。
パティシエになるために必要なスキル
技術も重要ですが、それよりも大事なことはたくさんあります。
ここでは専門学校ではあまり教えてくれない当たり前のことを挙げていきます。
《元気》
元気はあって困る事なんてひとつもありません。メリットだらけです。
第一印象も良いし、この業界は元気な新人がみんな大好きです(笑)
なのでポジティブに声を大きく、元気よく生きていく心掛けをしていきましょう!
第一印象がいいというのは非常に強い武器です。
《挨拶》
これも元気と同じような事で、当たり前じゃん!と感じる人も多いと思います。
しかし、意外とこの当たり前ができていない人が多いなと、ここ最近の人を見ていると感じます。
出勤しても・すれ違ったときも挨拶をしない。 そんな人に先輩たちは何かを教えようと思わないですし、ピンチになっても助けてあげようと思いませんよね。
人と関わって仕事をするというのはそういう事なんです。
《常に学び続ける姿勢》
どんなに凄い技術を持っている人でも、どんなに豊富な知識を蓄えている人でも、この常に学び続ける姿勢がなければ周りの人間に追い抜かされていきます。
パティシエ業界は常に進化してるので、現状維持の姿勢だと確実に置いていかれます。
この前まで最先端のケーキだったのに、気づいたらそれはもう時代遅れのケーキになっていることなんてよくあります。
つねに自分はまだまだと思い、常に前に進み続ける精神がパティシエとして強く生きていくのにもっとも大事なスキルなんです。
新人パティシエのうちにやっておいたほうがいい事
練習にひたすら打ち込む!
まずはこれでしょう!
業務を覚えることで精一杯なのは非常にわかります。
ですがそこをグッとこらえて、鬼練習しましょう!
- 自分の技術が上がる
- 同期に差をつけることができる
- 先輩からの好感度もUP!
などなど、メリットしかありません。一石三丁です。
ここでする主な基礎練習は
- ナッペ
- 絞り
- シート生地のナッペ
あたりができれば理想です。
ナッペ・絞りに関しては、ショートニングをミキサーで立てて使いましょう!
バタークリームで練習するのもぜんぜんありなのですが、原価が高いのでオーナーから却下を食らう可能性ありです。
これらがある程度上達してきたら次のステップです!
次は・・・
- パイピング
- マジパン細工
- 飴細工
- チョコ細工
などのコンテスト出場を見据えた練習も取り入れていきましょう。
一番いいのはその職場の一番技術が高い人を見極め、教えてもらうことです。
これが最も上達できます。
残念ながら職場にそんなすごい人いないよ!、と言う人は本を買いましょう!!
僕も飴細工に関しては、職場で取り組んでいる人が全くいなかったので本を買ってほぼ独学である程度の技術をつけることができました。
講習会に積極的に参加する
新人の頃は給料も低く、休みも少ないですよね。
ですがこれも最初のうちはグッとこらえて参加しましょう!
なぜなら講習会を実施する人というのは、ある程度の実績を残した実力者が開催してるのがほとんどで、参加する価値がとても高いからです。
そんな人達から実際に食材に関しての考え方、調理法、その人が培ってきたノウハウをたった数千円で見て聞けるわけなのですから、これほど理にかなった勉強はありません。
本でも知識は手に入りますが、やはりこの業界においては実際に調理している姿を見るほうが吸収率は圧倒的に高いです。
ちなみに値段の相場はだいたい
2000円~10000円
の範囲です。
主に洋菓子協会・食品関係業者などがそれぞれの職場に、講習会の詳細が書かれた紙が送られてくるはずなのでぜひ参加しましょう!!
コンテストに出場する
以前よりもコンテストに出場するパティシエは年々減っていると聞きます。
ですがそれを踏まえたうえで、出場する価値はありまくりです!
コンテストに出場するとその人のパティシエとしての基礎能力が総合的に上がるからです。
具体的にはこのような力です。
- ルセット・作品を自分で考える力
- 勝つためのデザインをリサーチする力
- どうしたら製造作業が効率よく進むのか、段取りを組み立てる力
- 体力・精神力
それとコンテストに出ることによって、圧倒的に横のつながりが増えます。
横のつながりが増えることによって、パティシエとしての視野が大きく広がります。
これらの力は今後の仕事でも大きく役立つことでしょう。
僕が最終的に伝えたいこと
新人という、挑戦と失敗を多く経験できる時期は限られています。
もし仮に1年目になにも練習をせず、コンテストにもろくに出場せず、講習会にも出なければ
おそらくパティシエとして悲惨な未来が待っています。
僕はいま7年目なのですが、この経験年数になってくるとやはり
- 注文業務
- 新メニュー開発
- 後輩の育成
- 棚卸し作業
など業務が年を重ねるごとに増えていき、とても練習をしたりコンテストに出たりする余裕がなくなってくるんです。
新しいことを学ぶことに対して、相当な労力がかかってきます。
この世には経験年数だけ多くても、見込まれずに簡単な仕事だけをやらされている人もたくさんいます。
今になって思うのは、新人のときに必死になって練習してコンテストに出ておいて本当によかったと思っています。
このときの経験は今の新メニュー開発に大いに役に立っていて、いまの僕を支えています。
なので今年からパティシエになったフレッシュな新人さんたちは、将来どうなりたいかをしっかり見据えた上で計画的に行動を起こしてほしいと思います。
まとめ
いかがでしたか?
今回は将来パティシエになろうと考えている学生さんの疑問に答えるために
【パティシエになるには? その進路と新人のうちにやっておいたほうがいい事】をいくつか
挙げさせてもらいました!
パティシエという仕事は一見華やかですが、実際は
- 熱い・寒い
- 長時間労働
- 低賃金
- 先輩・シェフからのパワハラ
- 場合によっては残業代なし
などなどブラックで、しんどい部分のほうが正直多いです。
高い学費を払って専門学校に通っても、就職して1年以内にやめる人は約70%・3年以内だと約90%と異常な数値をたたき出しているのがその証拠です。
しかしこの就職難の時代に自分の好きな事を仕事にできるのは、この上なく幸せな事であり恵まれている事だと思います。
最初の1年~3年目までは楽しい事なんてほとんどなくて、つまらないですが4年目・5年目くらいから新メニュー開発やコンテストなど色々なことに挑戦する機会が増えてくるので、そこから自然と毎日が楽しくなってくるはずです。
なので今学生でパティシエになろうか悩んでいる人は一歩前に踏み出してみる事をおすすめします!
それでは閲覧ありがとうございました!
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